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マツカワガレイ/松川鰈
カレイ目カレイ科マツカワ属

Barfin flounder
学名:Verasper moseri
 

マツカワガレイは産卵に備えて栄養を蓄える晩秋から冬、11月下旬から2月が旬。「夏はヒラメ、冬はマツカワ」と評されるほど冬場のマツカワガレイはヒラメ同等かそれ以上の味わいとなる。肉厚ながら透明感のある美しい白身で甘みのある脂が程良く乗り、食感はコリコリとして、刺身にすると絶品だ。「幻の魚」といわれていたが、近年では流通量がやや増加傾向にある。

マツカワという名はうろこが硬くザラザラとして、松の木の表面のようであることに由来する。背ビレと尻ビレに黒色帯があるのが特徴で、尾ヒレの後端は丸く、目のない側はメスは白く、オスは橙黄色。北海道全沿岸、青森県〜茨城県の太平洋沿岸、オホーツク海南部、千島列島などに分布し、水深200m以浅の砂泥底に生息する。主に甲殻類や魚類を捕食。低水温でも成長が良く、全長80cm程度になる。

主に底刺し網や底曳き網、延縄で漁獲される。2021年度の北海道の漁獲量のうち、えりも以西海域が89トンと約7割を占める。道内では養殖、さらに放流型の種苗生産が行われているものの、天然のマツカワガレイとなると数が少なく非常に高価。背びれの黒色帯が明瞭で均等に並んでいるのが天然ものだ。目が黒く澄んでいるもの、うろこが鮮やかな赤色なもの、身がしっかりと締まっているものが最高級品とされる。

北海道ではタンタカ、タカノハガレイ、キビラメ(オス)などとも呼ばれる。また、えりもから函館南部にかけて水揚げされるマツカワガレイの内、全長35cm以上のものだけを「王鰈」というブランド商標名で出荷している。2022年10月には、この基準をより厳しくすることが発表された。従来は漁獲した地域と体長だけだったが、活締めや漁協による品質認定を条件に追加。ブランド価値をさらに高め、消費拡大を視野に入れている。

多くの魚と同様にマツカワガレイも生活習慣病に効果があるとされる。低脂肪高タンパクで消化が良く、低カロリーなので病人食にも最適。特にタウリンが多く含まれており、動脈硬化の予防や血圧の正常化、コレステロール値の低下、血糖値の上昇抑制などに効果的だ。

旬のマツカワガレイは、まず刺身で味わいたいところ。雑味のない澄みきった旨み、そしてコリコリとした歯ごたえは、酒が恋しくなるだろう。水揚げ直後よりも、ある程度熟成させたほうがより旨みが増すようだ。刺身に添えられる肝も驚くほど美味。

この時季、ススキノの寿司店ではマツカワガレイの握りが楽しめる。脂ののった身を昆布で締めて握る。エンガワの炙り寿司も申し分ない。エンガワは特に脂が強いので軽く炙ると香ばしさとともに甘みがでてオススメだ。マツカワガレイの酒蒸しはアサリかホタテと一緒にさっと焼き、白ワインか日本酒を注いで蒸し上げる。身は火が通ると真っ白になり美しい。また、皮をはいで塩焼きにしても旨い。小さいものなどは唐揚げにしても良い。イタリアンにもピッタリで薄くスライスしカルパッチョにすると和とは違った風味がある。ほか煮つけやあら汁、ムニエルなどで賞味される。
 

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